オリジナル原料が活躍するこれからの化粧品開発とは?
化粧品選びでポイントになる要素のひとつが「原料」です。もちろん、パッケージや香り、使いやすさなどの要素も大切ではありますが、原料は化粧品にとってもっとも重要ともいえる効果や安全性を左右する要因になります。
そのため、化粧品メーカーの多くも原料を重視した商品開発に取り組んでいます。今回はこれからの化粧品開発で原料が果たすべき役割についてご説明します。
これからの化粧品開発における「原料」の重要性
現在、日本国内で使われている化粧品の原料は1万種類以上ともいわれています。なぜこれほどまでに原料の種類が増えてしまったのでしょうか?その原因の一つとされているのが、1997年に行われた「化粧品等に関する規制緩和」です。これによって、今までは使用できなかった原料なども使用可能になり、化粧品市場の多様化が進みました。
今日では、化粧品原料はメーカーにとって、差別化のポイントになっています。つまり、他社とは違う独自の原料を使用して商品を作り、それを自社ブランドの強みとして消費者にPRしているわけです。
現在注目を集めるオリジナル化粧品原料
それではここで、現在どういった化粧品原料が注目されているのか、実際にいくつか例を挙げてご紹介しましょう。
昆布やわかめの海藻パウダー
宮城県にある海藻加工メーカー「大平昆布」は、昆布やわかめ、ひじきといった海藻のパウダーを化粧品原料として提供しています。これらを使用した化粧品は海藻由来のミネラル・アミノ酸を含み、スクラブ感や滑らかさが得られます。増粘効果を活かして洗顔フォームなどに配合することも可能です。
カイコの繭から作り出したヒト型コラーゲン
「免疫生物研究所」は、遺伝子組み換えしたカイコの繭から人体に含まれるのと同じ型のコラーゲンを作り出すことに成功しました。従来の化粧品では、魚由来のコラーゲンを原料として使用することが多いですが、アレルギーを引き起こすリスクが指摘されています。ヒト型コラーゲンは医薬品の分野では一般的に使われており、そうしたリスクがないのが利点です。
肌なじみの良い美容金箔
寺院やインテリアに使われる金箔・銀箔などの箔加工技術に関する事業を営む「箔座」は、金箔を原料としたフェイスパック「美容金箔」を販売しています。コラーゲン成分がプラスされた金箔は肌なじみが良く、皮膚温度を上昇させ血行を促進してくれます。
独自の化粧品原料を使った商品開発のポイント
今回ご紹介した原料から、独自の化粧品原料を商品開発に活かす際のポイントとして、次の2点を学ぶことができます。
自然素材など「安全・安心」な原料を選ぶ
化粧品は日常的に人体に対して使用するものですから、安全性が確保できていなければなりません。動植物や金のような自然由来の素材は、人体に優しく、安全性のPRに有効です。
必要な設備やノウハウを持った化粧品OEMメーカーを選ぶ
独自の原料を使用するということは、専用の製造設備が必要になるということを意味します。他業種から化粧品業界への参入など、自社で必要な機器・工場を一から用意するのが難しい場合は、他社ブランド製品の受託製造を行う化粧品OEMメーカーに製造を代行してもらうと良いでしょう。