設備が傷む?だから断られる?塩・クレイ入り化粧品OEMについて

化粧品OEMの原料選定において、「塩」や「クレイ(粘土)」のような自然素材を使用したいというニーズが高まっています。しかし、いざ製造委託しようとすると、「設備が傷む」「充填が難しい」といった理由でOEMメーカーから断られるケースがあります。特に塩は腐食性、クレイは高粘度という素材特性から、製造ラインへの負荷が大きく、敬遠されがちです。
そのような中、日本ゼトックでは、こうした「難素材」への対応ノウハウと設備環境を整え、ODM・OEMニーズに応えています。この記事では、塩やクレイを使った化粧品のOEMがなぜ難しいのか、そしてそのハードルをどのように乗り越えられるのかを、詳しく解説します。
なぜ塩やクレイ入りの化粧品はOEMで断られやすいのか
塩やクレイなどの天然素材を活用した化粧品は、美容効果や自然志向といった観点から、消費者の支持を集めています。しかし、実際にOEM製造を依頼しようとすると、「設備への悪影響があるため、対応できません」と断られてしまうことも少なくありません。では、なぜこれらの素材がOEM現場で“扱いにくい”とされるのでしょうか。
塩は「設備腐食」のリスクを伴う
塩は、スクラブや殺菌成分として多くの化粧品に利用されてきた実績があるものの、製造現場では“腐食性原料”として警戒されがちです。特に、塩分を含む原料はステンレス製のタンクやパイプに長期間触れると腐食が進行し、設備寿命を縮めてしまうおそれがあります。
また塩は結晶構造であり研磨性があるため、バルクの調剤釜や充填機、ホースなど製造設備を摩耗させてしまうリスクがあります。
そのため多くのOEMメーカーでは、設備トラブルや品質事故のリスクを避けるため、塩を含む処方そのものを“非対応”としているケースが目立ちます。
クレイは「高粘度」による製造上の課題が多い
一方、クレイ(粘土)は、汚れの吸着や毛穴ケアに優れた効果を持つ成分として注目されていますが、その“高粘度”ゆえに製造ラインでの取り扱いが非常に難しい素材です。
たとえば、クレイ高配合の処方は撹拌時に均一に混ざりにくく、バルクの粘度が高いため、配管やノズルの詰まり、ポンプでの送り出しが困難になるといった物理的な課題が発生します。
また、充填工程でもスムーズに容器へ充填できない、粘度変化によって不良品率が高まるなど、製造効率を大きく左右するため、製造体制が整っていないOEM工場では断られることもあります。
一般的なOEMメーカーが敬遠する背景
これらの課題に対応するには、専用設備の導入や、高度な処方設計技術、製造ノウハウが必要不可欠です。しかし、一般的なOEMメーカーでは塩やクレイのような“難素材”を想定していないケースが多く、製造体制の柔軟性や素材に応じた技術的対応が追いつかないこともあります。
その結果、「素材ありきの化粧品開発」が制限され、せっかくの商品アイデアが実現できないまま終わってしまう可能性もあるのです。
それでも“塩”や“クレイ”が選ばれる理由とは
OEMメーカーの多くが塩やクレイの取り扱いに慎重な姿勢を見せる中、それでもなお、これらの天然素材を活用した化粧品の開発を望む企業は増えています。なぜそれほどまでに“難素材”が選ばれるのでしょうか?
その理由は、美容効果と市場トレンドの双方において、非常に高い訴求力を持っているからです。
天然由来成分としての高い訴求力
塩やクレイは、「自然派」「オーガニック」「無添加」といったキーワードと相性が良く、エシカル志向・ナチュラル志向の消費者に強くアピールできる素材です。SDGsやサステナブルが重視される時代背景もあり、単なる化粧品としての機能だけでなく、原料の由来や環境への配慮が商品価値に直結するようになりました。
そのため、素材選定の段階から「天然由来」にこだわるブランドや、環境配慮を前面に押し出したコンセプト設計が求められるようになってきています。
スクラブ・吸着・整肌などの多機能性
塩は角質除去(スクラブ)や殺菌作用、またミネラル成分を多く含むことから、洗い上がりの爽快感や肌のトーンアップを実感できると評価されています。
クレイには皮脂や老廃物の吸着、毛穴の洗浄・引き締め、整肌効果など、幅広い美容効果があり、敏感肌向けやエイジングケア用途でのニーズが高まっています。
そのためこれらは、洗顔料やパック、ボディソープといったスキンケア製品の付加価値を高める要素として注目されています。
しかし実際に原料由来としてこれらの機能性を実感するには、一定の配合量は必要であると考えられます。
売り文句として「○○配合」と表示できればよいのであれば微量でも配合されていれば問題ありませんが、しっかりと効果実感を求めるのであれば設備が整い、配合が難しい成分でも高配合の対応が可能なOEMメーカーを選択することが大切です。
トレンドの変化が“選ばれる理由”を後押し
化粧品市場では今、成分重視の“原料回帰”が進んでいます。従来の合成成分に依存した製品開発から一歩踏み出し、素材そのものの力を活かした製品設計が主流になりつつあるのです。その中で、塩やクレイのような「見た目で成分がわかりやすく、差別化しやすい素材」が再評価されているのは自然な流れといえます。
たとえば原料産地にもこだわり、パッケージに“○○産天然クレイ使用”と記載できるだけで、商品価値は一段上がり、消費者の購買意欲を高める武器になります。
日本ゼトックが“難素材”に対応できる理由
日本ゼトックは業界でも数少ない、塩やクレイのような“難素材”を安定的に使用が可能です。以下では、日本ゼトックがなぜ対応できるのか、その3つの理由をご紹介します。
① 耐腐食・高粘度対応の製造設備を完備
塩のような腐食性のある原料に対応するには、通常の設備では限界があります。日本ゼトックは創立以来70年以上にわたり歯みがき剤を開発、製造してきました。薬用歯みがき剤では塩は有効成分にも認められており、歯みがき剤を製造するうえで耐腐食性は基本設備として備わっています。
また、歯みがきペーストは基本的に高粘度のものが多く、クレイのような高粘度原料が配合された粘度の高いバルクの実績も多く、一般的なOEMメーカーでは実現できない処方への対応力を発揮しています。
② 原料特性に応じた処方設計・製造技術
設備だけでなく、素材の特性に応じた処方開発ノウハウも日本ゼトックの強みです。
たとえば、塩は製品中に均一に分散させなければ刺激が生じる可能性があり、粒度や溶解性、使用量を細かく調整する必要があります。クレイにおいても、水分保持力やpH安定性などを考慮し、長期間の安定性を保つことができる設計が求められます。
同社には、こうした機能性と安定性を両立させる処方設計技術が蓄積されており、原料に合わせた最適なバルクを実現できます。
③ 長年のノウハウと“難素材”実績の蓄積
日本ゼトックはこれまで数多くの機能性素材を使用した化粧品ODM・OEM実績を持ち、特に塩やクレイといった“扱いが難しい”原料の製造経験も豊富です。製造前のスクリーニング段階から、素材の影響を評価するノウハウを持っており、課題があれば処方・製造両面から改善提案ができる体制が整っています。
まとめ
塩やクレイといった天然由来の“難素材”は、消費者からのニーズが高い一方で、その製造難易度の高さからOEMメーカー側に敬遠されがちな存在です。特に、塩による設備の腐食リスクや、クレイの高粘度による充填工程の課題は、多くのOEMメーカーにとって大きなハードルとなっています。
しかし、それでもなお塩やクレイが選ばれるのは、スクラブ・吸着・整肌といった機能性や、ナチュラル志向・エシカル消費といったトレンドに適応した原料であることが、大きな魅力だからです。
そうした中で、日本ゼトックはこれらの課題を乗り越え、設備対応・処方設計・素材特性の理解において業界屈指の対応力を発揮しています。耐腐食性設備の導入や高粘度充填に対応した製造ライン、そして様々な素材に関するノウハウの蓄積により、塩・クレイをはじめとした特徴的な素材を含む処方でも安心してODM・OEM委託が可能です。