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SDGsへの取り組み ~前編(全社的な取り組みと東北復興応援)~

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SDGsへの取り組み ~前編(全社的な取り組みと東北復興応援)~

「当たり前に行ってきたことがSDGsにつながっている」

2015年に国連総会で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)。日本では、法的義務はないものの大手企業などを中心に取り組みが広がっており、2019年はSDGs経営元年ともいわれています。
化粧品業界においても、マイクロビーズ問題やパームヤシ問題といった製造工程における環境保全を始め、健康や福祉、ジェンダー平等といったさまざまな課題に取り組む企業が現れてきています。

日本ゼトックでは、SDGs採択以前から、当社独自の行動指針に基づいて、社内外の環境改善を目指し、多面的な取り組みを行ってきました。
今回、日本ゼトックでの取り組みについて、取締役執行役員 社長室長 兼 総合管理本部長 林 直人、開発営業部 営業第2課 課長 涌井 伸郎、開発営業部 営業第2課 万川 英梨の3名に、当社のSDGsへの取り組みについて話を聞きました。

前編では、全社的な取り組みの概要と、2011年3月11日に発生した東日本大震災の復興応援に関する取り組みについてご紹介します。

上海進出に伴い国際標準に準拠した経営へとシフト


左から、開発営業部 営業第2課 課長 涌井 伸郎、取締役執行役員 社長室長 兼 総合管理本部長 林 直人

日本ゼトックでは、SDGs採択以前から当社独自の行動指針に基づき、社内外の環境改善につながるさまざまな取り組みを行ってきました。
特に、2010年の上海駐在員事務所開設を機に、代表取締役からの発信で「世界標準への準拠」を目指す機運が高まったといいます。

Q. SDGsが採択される前から、さまざまな取り組みを行っていたそうですね。

林:2010年に上海市に初の海外拠点となる上海駐在員事務所を開設し、2012年には上海に現地法人「泽透克(上海)商贸有限公司」を設立したのを機に、当社もグローバルスタンダードな経営を目指そうということで、代表取締役社長の主導でハーバード大学のMBAの教えを取り入れる試みがスタートしました。

その一環として、2012年に「社員 行動指針」を策定、2016年には「ダイバーシティ推進委員会」を立ち上げました。

日本ゼトック株式会社 社員 行動指針

【1.日本ゼトックの一員として】

  1. 社会に果たすべき役割
    社会の持続的な発展のために、広い視野と見識をもって社会から信頼・共感の得られる行動を実践します。
  2. 誠実な行動
    一人ひとりが会社の代表であるという意識のもと、「誠実さ」こそが信頼の礎であることを基本に、常にオープンでフェアな行動を実践します。
  3. 法令遵守
    自分あるいは他人の行動が法令・倫理に照らし問題ないか不安や疑問に感じた場合には、冷静に対処します。

【2.生き生きとした職場をめざして】

  1. 自己研鑽
    社訓・企業理念をしっかり理解し、自己の職務に誠実に取り組み、常に自己成長を目指して、積極的に知識の習得や技術、能力の向上に努めます。
  2. 思いやりと尊重
    互いの人権を認め合い、コミュニケーションを大切にし、プライバシーを尊重することで円滑な人間関係を維持し、よき職場づくりに努めます。
  3. 安全・衛生・健康
    身体だけでなく心の健康にも十分配慮し、安全で衛生的で秩序ある働きやすい職場環境の維持整備に努めます。
  4. 公私の峻別
    会社の資産や機密情報を大切に取り扱い、私的な関係・利害を職場に持ち込みません。

【3.お客様の信頼と期待に応えるために】

  1. 世の中に幸せを
    お客様へは感謝の気持ちを忘れず、必要十分かつ正確な製品情報の提供に努め、問題には迅速・誠実に対応します。期待以上の製品・サービスをグローバルに提供します。

【4.仕入先との共存共栄をめざして】

  1. 公正な取引
    下請法を遵守し、公正・対等の精神をもって、企業間でも節度ある行動をとります。
  2. 自由・公正な競争
    「オープンでフェア」の原則を貫いた事業活動を行い、知的財産権を相互に尊重して権利侵害しないよう留意し、正々堂々と競争します。

【5.株主の信頼と期待に応えるために】

  1. 企業価値の向上
    会社資産の適切な運用と、リスク発生の未然防止に責任ある対応をし、日本ゼトック全体の企業価値の向上に努めます。
  2. 適正な会計・決算
    各職場での会計処理・棚卸等を適正に行い、公正妥当な経理・決算を厳守します。
  3. インサイダー情報の管理
    関係する他の上場企業の未公開重要情報が公開されるまでは社外に漏らさないことはもとより、株式・社債等の売買はせず、法令や社内ルールに従って適切に取り扱います。

【6.社会と共生するために】

  1. 環境への配慮
    環境問題への取り組みは人類共通の課題であり、企業の存続と活動に必須の要件であることを認識して、仕事上だけでなく、私生活においても積極的に取り組みます。
  2. 地域社会への貢献
    製品を通じた社会への貢献にとどまらず、地域社会の課題解決への貢献に向けて積極的に活動に参加・協力します。
  3. 品格ある行動
    官公庁等とは節度ある関係を保ち、反社会的勢力とは毅然と対応し一切関係を持ちません。私生活においても堅実・健全な社会生活を送るように努めます。

Q. 行動指針には、SDGsに通ずる概念が含まれているようです。

林:ええ。「社会の持続的な発展のため」「安全で衛生的で秩序ある働きやすい職場環境の維持整備」「環境への配慮」「地域社会への貢献」など、いくつか共通する概念があり、SDGsが採択される以前からすでに、取り組みをスタートしていたことになります。

時短制度を拡大(5. ジェンダー平等を実現しよう)

Q. 具体的には、どのような取り組みを行っているのですか?

林:「ダイバーシティ推進委員会」で毎月1回ミーティングを行い、そこで話し合った議題からいくつかの施策が実誕生しています。
まず、女性の働きやすさ実現のための施策として、時短制度を拡大しました。それまでは、3才までの子どもがいる場合にのみ時短を認めていたのですが、成長して4才になると送り迎えが間に合わないために非正規雇用に切り替える社員がいたのです。
そこで、小学校3年生まで時短の適用範囲を拡大しました。その結果、正規雇用のまま時短制度を使って働き続けられる社員が増えました。
また、厚生労働省が女性が活躍できる企業の証として認可している「えるぼし認定」についても、今後、取得を目指して申請を行う予定です。自己採点では、当社は3つ星のうち認定段階2つ星のレベルにあります。

今後も、産休・育休の取得しやすさや残業削減を進め、残業しなくても昇進できるような企業にしていきたいと考えています。

障がい者雇用・外国人雇用を促進(10. 人や国の不平等をなくそう)

林:SDGsの10番に当たる取り組みも行ってきました。具体的には、数年前から外国人留学生の新卒雇用に取り組んでいます。これまでに、中国人、チェコ人、タイ人を雇用してきました。
選考では、日本で長期的に働きたいという意思を持つ学生を重視しており、最近、高度人材ポイント制も導入しました。この制度で、外国人社員の家族を日本に呼び寄せられるなど、さまざまな優遇が受けられるようになります。

また、達成率としてはまだ低いですが、障がい者雇用も行っています。今後も、出自や学歴が問われない雇用を目指していきたいと考えています。

社内イベントでの食品ロスを削減(12. つくる責任 つかう責任)

林:当社では、夏休み前、年末年始休暇の前後の年3回、社内でケータリングを利用して飲食する機会を設けています。この時に用意する食品の分量について、食品ロスが出ないよう配慮しています。
またコップやお皿をガラスや陶器に変更し使い捨ての紙皿の不使用や飲料のペットボトルをアルミ缶飲料に変更することでプラスチックごみ削減と同時にアルミ缶をボランティア団体へ寄付しております。

反社会的勢力を絶つための取り組み(16. 平和と公正をすべての人に)

林:これは最近開始したばかりの取り組みですが、2019年から反社会的勢力を絶つために新規取引先と結ぶ基本契約のなかに反社会的勢力ではないことを宣誓してもらう条項を設けました。従来の取引先に対しても順次、新契約書での契約結び直しを進めています。
また、今後、社内で目撃した不正行為の通報先として社外への窓口設置を進めていきます。現在は、総務人事部を窓口として設定しており、社内なので報告しづらかったり公平性が担保しにくいという課題を解消するためです。

左から、開発営業部 営業第2課 課長 涌井 伸郎、取締役執行役員 社長室長 兼 総合管理本部長 林 直人

【東北復興応援】「つなぐつながる東北スマイル」を立ち上げ、復興を応援

Q. 日本ゼトックでは、2011年3月11日に発生した東日本大震災の復興応援にも取り組んでいるそうですね。

林:震災が発生してから3年までぐらいは、支援物資の寄付を行っていたのですが、少し落ち着いてきたところで一方的な「支援」からともに協力していく形の「応援」へ変えていきたいと考えました。
そこで、まず都道府県会館へ行って、被災3県である岩手県、福島県、宮城県それぞれの現地での窓口を教えてもらいました。会長、社長、専務と私で各地へ赴き、「一緒に何かができないか相談したい」と申し出たのです。あらかじめ、いくつかのアイデアを持っていき、現地のデザイナーに当社商品のパッケージをデザインしてもらうといったものもありましたが、当社が自然の恵みを原料とした化粧品製造にノウハウを持つことから、福島県喜多方の酒造がつくる日本酒や岩手県龍泉洞の天然水、宮城県伊豆沼のはすといった現地の素材を使った化粧品開発がメインになりました。

東北の企業と共同で特産品を使ったコラボレーション商品を企画


東北の企業と共同で特産品を使ったコラボレーション商品

万川:といっても、自然素材のすべてが化粧品に使えるわけではありません。現地での原料の採取方法によっても採用できるかどうかは変わってきますし、採取できても素材を実際に原料工場へ送って原料として使用できるかどうかジャッジしてもらう必要があります。

林:ここに並んでいる商品は、実用化された成功例ばかりですが、商品化できなかった素材もあるんですよ。どんな素材でも化粧品にできるわけではありませんが、ご相談いただければ、原料化できるかどうかわからない段階から一緒に商品開発を進められる体制を整えています。
岩手県龍泉洞の天然水を汲み上げて作った「龍泉洞の化粧水」「龍泉洞の水クレンジング」はモンドセレクション金賞、「龍泉洞の潤いジェル」は銀賞を受賞しました。
売上の一部は「fukushimaさくらプロジェクト」などに寄付しています。


取締役執行役員 社長室長 兼 総合管理本部長 林 直人

東北の企業と共同で特産品を使ったコラボレーション商品について、詳しくは下記のページもご覧ください。

東北応援のためのソーシャルビジネスプロジェクト 日本ゼトックの新たな挑戦 1(ZETTOC STYLE)

「fukushimaさくらプロジェクト」に協賛


「fukushimaさくらプロジェクト」のポスターの前で(取締役執行役員 社長室長 兼 総合管理本部長 林 直人)

林:当社は、2013年から「fukushimaさくらプロジェクト」にも参加しています。fukushimaさくらプロジェクトとは、東日本大震災からの復興を願い、福島や東北、さらには全国を応援することを 目的としたプロジェクトで、復興のシンボルとして寄贈された新種の八重桜「はるか」の苗木を福島県内で育て、全国への植樹活動を行うことで、込められたメッセージを全国に広めるというもの。
この苗木の植樹費として、東北の企業と共同で特産品を使ったコラボレーション商品の一つ「ほまれ化粧水」の2015年3月19日~10月19日までの売上げの一部を、苗木の植樹費用として寄託しました。
今後も引き続き、当社ができる範囲で東北の復興応援を続けていきたいと考えています。

           

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