温感化粧品はなぜ温まるのか?温まる成分の正体にせまる
ボディケアに使う化粧品の中には、塗ったところが温かくなる温熱化粧品があります。なぜ塗るだけで温まるのか不思議に思った方は多いのではないでしょうか。これは、温かさを感じる成分が配合されているためです。また、温めることで、どのような効果があるのか気になる方もいるでしょう。そこで、今回は温感化粧品がなぜ温まるのか、配合成分と効果について詳しくご紹介します。
肌に乗せるだけで暖かくなる「温感化粧品」
肌に乗せるだけで、その部分が温かくなる温感化粧品は、冬になると販売個数が大きく増える化粧品です。これは、使い心地がよく、寒い冬でも気軽に使えるためと考えられます。ボディクリームやクレンジング剤など、様々な温感化粧品が販売されており、冬になると好んで使う方も多いのです。温感化粧品に配合されている温感成分には、大きく分けて「温刺激受容体を刺激する成分」と「水分と混ざって発熱する成分」があります。
成分①温刺激受容体を刺激する成分
熱を感じ取る温刺激受容体を刺激することで、温かさが持続します。トウガラシ果実エキスやバニリルブチルなどが温刺激受容体を刺激する代表的な成分です。トウガラシ果実エキスには、血行促進作用があるため、血行が促されることによる温感効果も期待できます。また、シミの原因となるメラニンの生成を抑える作用もあるため、シミケア化粧品にも配合されていることがあります。
成分②水分と混ざって発熱する成分
水分と混ざることで温感作用を発揮する成分です。水分が必須であるため、混ざっている水分が失われると温感作用も失われます。代表的な成分はグリセリンです。多くの化粧品に含まれていますが、温感化粧品については、化粧品表示の最初にグリセリンが表記されています。グリセリンには水分がほとんど含まれていないため、肌に塗ることで肌の水分に反応して温感効果を得られるのです。
肌が乾燥していると温感効果を得られないため、保湿化粧品と一緒に使用することが大切です。保湿成分のヒアルロン酸やコラーゲンなどと相性がいいため、温感化粧品に一緒に配合されていることもあります。なお、グリセリンは化学合成されて作られると思われがちですが、実は牛脂やパーム油、ヤシ油などの天然成分から作られます。
温感化粧品の効果
温感化粧品は、毛穴ケアに効果が期待できます。毛穴汚れは、古い角質と皮脂が混ざったものが毛穴に詰まることが原因です。タンパク質と脂質による汚れであるため、温度を高くすることで皮脂が柔らかくなり、洗顔で落としやすくなります。温めてもタンパク質を落とすことはできませんが、毛穴汚れの多くは脂質によるものであるため、温めるだけで毛穴汚れを解消しやすくなるのです。また、強力な界面活性剤を使わなくてもメイクを落とせるため、肌に優しくなっています。
化粧品の知識を商品開発に役立てよう
温感化粧品には、主にグリセリンやトウガラシ果実エキスなどが含まれています。肌を温める作用は異なりますが、どちらにも温感作用による効果が期待できます。温感成分が含まれたクレンジング剤は、強力な界面活性剤を使わなくても毛穴汚れを落としやすく、肌に優しいことが特徴です。温感化粧品は冬になると売上が上がりますが、それ以外の季節でも使えます。このように、化粧品の効果は配合成分によって成り立っているため、良い商品を開発するためにも知識を身につけておくことが大切です。