化粧品箱の必要性とは?商品に合わせた素材で開発しよう
化粧品は通常、プラスチックやガラスなどの容器に入れられた状態で出荷されますが、さらに紙製などの箱に入れられている場合があります。こうした化粧品の梱包・包装に使用されている入れ物が「化粧品箱」です。
化粧品箱には、容器本体が傷つかないよう保護するなどいくつかの役割があります。特に小売店などに陳列される場合、化粧品箱は真っ先に消費者の目にさらされる部分です。広告と同じように、それ自体が販売促進のための役割を担っているといっていいでしょう。
今回は、化粧品販売において化粧品箱がどんな役割を果たすのか、形状や包装の違いによってどんなメリット・デメリットがあるのかをご紹介します。
箱入れした際の売り場での効果
まず、化粧品を箱入れすることによって得られるメリットを押さえておきましょう。
もっともわかりやすい効果は「高級感をアピールできる」という点です。本来、箱入れはしてもしなくても構いません。しかし、あえてお金をかけてそれを行っているということは、それだけ「商品のクオリティに自信がある」と消費者に訴えかける効果が期待できます。
また、化粧品箱にプリントなどの装飾を施すことで、化粧品の魅力をより効果的にPRすることもできます。たとえば、化粧品容器本体の装飾はシンプルなものにとどめておき、化粧品箱には商品の良さが伝わる画像やキャッチコピーをプリントする、といった方法も有効でしょう。化粧品容器の大きさや形状は使いやすさ、内容量によってある程度規定されるため、表面に施せる装飾も自ずと限定されてしまいます。それに比べて化粧品箱は原則として箱型なので、比較的自由に画像や文字を載せることが可能です。
そして、小容量の製品であっても、化粧品箱で面積を増やせるため上記画像のように訴求部分を多くとることができ、製品を目立たせられます。化粧品箱は紙製のため、チューブなどの樹脂に比べると質感に変化をつけるバリエーションも豊富です。思わず手に取りたくなるようなワクワク感を演出したり、しっとりしたニスや加工紙を使用して保湿クリームのしっとり感をイメージさせるといった工夫も可能です。
包装・梱包の種類とメリット・デメリット
化粧品箱だけの状態で販売することももちろん可能ですが、包装・梱包を施すとより高級感を打ち出したり、安全性をPRしたりする効果が得られます。ここでは、化粧品箱をさらに包装・梱包方法する際の代表的な種類を三つご紹介しましょう。
シュリンク
化粧品容器や化粧品箱をプラスチックのフィルムで包み、熱を加えて収縮させ梱包する包装です。容器や箱にフィルムが密着するため清潔であり容易にできる方法ですが、透明なため、見た目による競合商品との差別化は難しくなります。
封緘シール
封緘シールとは、化粧品箱の開け口に貼りつけ、未開封であることを示すためのシールです。単に箱に入れるだけの場合と比べて高級感をPRできる上に、異物混入の対策にもなります。ただし、きれいに剥がせれば貼り直すことも可能なので確実性には欠けてしまいます。
ホットメルト
常温で固まる接着剤を開け口に塗布する方法です。シールとは異なり、開封後に貼り直すことができないためより異物混入対策としての効果が高く、化粧箱の見た目を損なう恐れもありません。開封すると接着剤が剥がれた後が残ってしまいますが、塗布する部分にミシン目加工を施すなどして目立たなくすることも可能です。
商品の特性に合わせた化粧品箱で、自社のウリをアピールしよう
化粧品箱は容器を外から守るだけでなく、表面の装飾によって商品の良さを消費者にアピールする役割を担っています。形状によって強度や生産コストが異なるので、商品の特性をよく考えた上で適した種類のものを選ぶと良いでしょう。
高級感や安全性をPRする上では、包装・梱包が与える影響も見過ごせません。見た目が美しく、かつ競合製品と比べて魅力的に映る化粧品箱を作ることができれば、それだけでライバルに対して有利に立てるはずです。化粧品開発を進める際は、ぜひ化粧品の中身だけでなく、箱や梱包にもこだわってみてください。